東京では、街のいたるところで外国人観光客の姿を目にするようになりました。
築地市場や浅草では、どう見ても日本人よりも外国人のほうが多い気がします。
この夏は、さらに外国人観光客が増加しそうなデータがあるのでメモします。
日本発着の国際線座席数は、コロナ前2019年比2.9%増に急回復
国際線の運航は、夏季(3月末~10月末の約7か月間)と冬季(10月末~3月末の約5か月間)に分けてスケジュール管理されています。ANA総合研究所が、毎年、夏季と冬季の計画座席数と実績座席数を集計して公表しています。計画と実績を分けているのは、各エアラインが発表したタイムテーブルから計画座席数を集計するが、実際にはフライトが増便、減便されることがあり実績は変動するためです。実際、コロナ禍の2020年、2021年には大幅な減便が実施されました。
https://www.anahd.co.jp/group/ari/
ANA総合研究所の集計によると、2023年冬季の国際線計画座席数は2308万席で2019年冬季実績の2420万席に対して5%減でした。
ところが、2024年夏季の国際線計画座席数は、3898万席で、2019年夏季実績の3787万席を2.9%上回ります。ちなみに、2023年夏季は2724万席でしたので、今年の夏季は、前年同期比1174万席増、率にして43%も増加します。
(万席) | ||||||
2019年夏季 | 2020年夏季 | 2021年夏季 | 2022年夏季 | 2023年夏季 | 2024年夏季 | |
提供座席数(計) | 3787 | 424 | 464 | 776 | 2724 | 3898 |
(方面別) | ||||||
アメリカ方面 | 393 | 58 | 109 | 177 | 334 | 416 |
欧州方面 | 278 | 48 | 84 | 87 | 177 | 259 |
アジア方面 | 3115 | 317 | 269 | 511 | 2211 | 3222 |
(国内空港別) | ||||||
成田 | 1275 | 189 | 240 | 412 | 882 | 1190 |
羽田 | 633 | 48 | 117 | 182 | 684 | 898 |
関空 | 911 | 101 | 68 | 108 | 612 | 927 |
九州・沖縄 | 436 | 45 | 20 | 39 | 311 | 465 |
中部 | 308 | 22 | 15 | 29 | 114 | 224 |
北海道 | 151 | 12 | 1.6 | 2.8 | 84 | 118 |
中国・四国 | 44 | 4 | 0 | 0 | 20 | 48 |
東国 | 18 | 0.3 | 0 | 0 | 12 | 23 |
(出所:ANA総合研究所「2024年夏季スケジュール日本着国際航空輸送提供座席数」)
昨年よりも日本人がどんどん海外旅行を楽しむようになってくれればいいのですが、円安逆風のため、この夏増える国際線に搭乗するのは訪日観光客が中心で、日本人は少数派ではないかと予想できます。
参考までに、今年4月の日本人出入国者数は88.8万人で、2019年4月比で46%も減少したまま。それに対して、今年4月の外国人出入国者数は302.9万人で日本人渡航者の3倍以上、2019年4月比5%増とコロナ前をすでに超えています。
(出所:出入国管理統計)
座席数が増えたのは、ソウル線、台北線。減少したのはバンコク線とホノルル線
では、海外就航地別でどこの空港と日本を結ぶ便の座席数が増えたのでしょうか。
2019年夏季と比較して、座席数が大きく増えたのは、
ソウル線(185.6万席増)
台北線(84.9万席増)
上海線(31.4万席増)
イスタンブール線(15.5万席増)
サンフランシスコ線(13.1万席増)
ロサンゼルス線(11.6万隻増)
ニューヨーク線(11.2万席増)などとなっています。
韓国、台湾、中国、トルコ、アメリカなどからの訪日観光客増加に伴い、新たに就航する便が多くなっています。
反対に、2019年夏季と比較して、座席数が大きく減少したのは、
バンコク線(61.2万席減)
テグ線(32.3万席減)
ホノルル線(20.2万席減)
モスクワ線(12.3万席減)
ヘルシンキ線(9.7万席減)
アムステルダム線(8.5万席減)
コナ線(6.3万席減)などです。
日本人のとっての人気観光地であるホノルル線やコナ線が減っているように見えるのは、アルくんだけではないのでは。。
テグ便は、ソウル便に置き換えられた影響があるみたいです。
バンコク線は、タイ国際航空破綻(2020年5月)の影響はわかるのですが、タイ・ライオンエアやタイ・エアアジアX、ノックスクートなどのLCCも軒並み座席数を大幅に減らしているのが気になります。
国内就航地別に2019年夏季と比較してみると、
羽田空港発着便は、41%増の898万席
関西空港発着便は、1.7%増の927万席
九州沖縄の発着便は、6%増の465万席 と増加しているのに対して、
中部地方の発着便は27%減の224万席、
北海道の発着便は21%減の118万席などと減少が目立ちます。
ここまで調べてみて、この夏も訪日観光客数はかなり増えてしまうことがわかってしまいました。
築地の海鮮丼は、日本人には手が出ないほど値上がりしています。
日本全国からオーバーツーリズムの悲鳴が上がらないように願いたいものです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。