隅田川テラスは、その名の通り隅田川の両岸に整備された親水テラス・遊歩道です。
初めてここを歩いたとき、「東京にもこんなに静かでのんびり歩ける場所があるんだ」、と驚いたことをよく覚えています。
親水テラスなので、護岸の向こう側を走っているバスや自動車の騒音とは無縁です。ときおり、隅田川の水上バスや屋形船などが行きかいます。夏には、水上バスの乗客たちは船の屋上にでて、川風を楽しむ姿も見られます。
牧歌的なことばかり書いてしまいましたが、いつ歩いてもゆったりとした気持ちになることができる散歩道です。
■防潮堤の建設とともに遊歩道が整備された
隅田川は明治期までたびたび洪水被害を引き起こしていたそうです。1910年(明治43年)の大洪水被害の後、1911年から東京の東に人工的な排水路の建設が始まり、1924年(大正13年、関東大震災の翌年です)に荒川放水路として完成しました。
その後、昭和30年代、40年代に隅田川に防潮堤が作られ、さらに1987年(昭和62年)からスーパー堤防が整備され始めます。その堤防の外側(川寄り)に整備された遊歩道のことを隅田川テラスと呼んでいます。
現在の隅田川は、岩淵水門(北区)で荒川と仕切られていて、水量は比較的安定しています。
穏やかな春の日に、隅田川テラスを歩くと、思わず「春のうららのすみだがわ♬」と歌いたくなるほどのんびりできます。
■左岸の相生橋など、橋まで迂回する場所も
中でも、南千住付近から、浅草や、両国を通り、勝どき付近までのおよそ12キロの区間は、川の右岸(河口に向かって見て右側、つまり西側)も、川の左岸(河口に向かって見て左側、つまり東側)も、遊歩道が整備されています。
神田川や日本橋川、亀島川など川が流れこむ場所や、佃島で川が左右に分流するあたりは、
遊歩道を出て、橋まで迂回する必要があります。とくに左岸の相生橋あたりは、大きく迂回することになります。
■浅草から船にのり、テラスを歩いて浅草まで戻る
隅田川テラスに関しては、公益財団法人東京都公園協会が発行している「隅田川テラスのみどころマップ」が使いやすくて便利です。
このみどころマップは、汐入散策コース、隅田川七福神散策コース、浅草と東京スカイツリー散策コース、
花守花壇と両国散策コース、日本橋七福神散策コース、深川散策コース、大川端散策コース
の7つの散策コースが紹介されています。
隅田川テラスの開放的な雰囲気を少し味わって、下町の名所を散策するコースとして
どれもよく考えられていて、楽しいコースだと思います。
アルくんのお気に入りは、隅田川を行きかう水上バスと、隅田川テラス歩きを組み合わせたコースです。
たとえば、浅草から水上バスで南に下り、降りた場所から浅草までテラスを歩いてみます。
短い距離がいいときは浜町で折り返し、長く歩きたいときは聖路加ガーデン前で折り返すといいかもしれません。
船に乗らず、テラスを往復歩くのもお気に入りです。隅田川テラスは、原則、自転車の乗り入れが制限されているので、
安全に歩くことができます。ベンチが整備されているところもあるので、川の流れを眺めながら、お弁当を食べるものいいかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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